高齢者に優しい無垢床の選び方|滑らない床材3つの条件と対策
高齢者の家庭内事故で最も多いのは転倒で、床材と足元の相性が大きく関係しています。高齢のご家族が安心して暮らせる無垢床を選ぶ条件は、①防滑性 ②衝撃吸収性 ③視認性の3つです。
すでにお住まいの床でも、クッション性のある下地材・滑り止め加工されたフローリング・無垢床専用の滑り止めオイルといった工夫で安全性を高められます。中でも滑り止めオイルは、床を張り替えずに木の質感を保ったまま滑りにくくできるのが特長です。
美しい無垢床の魅力はそのままに、家族全員が安心して暮らせる住まいへ。創業1919年の伊勢通が、高齢者に優しい床づくりをご案内します。
なぜ高齢者は家庭内で転倒しやすいのか
高齢者の家庭内事故で最も多いのが転倒です。靴を脱いで暮らす日本の住宅ではフローリングが多用され、その滑りやすさと加齢による身体の変化が重なることで、転倒リスクが高まります。
日本では、家庭内での高齢者の転倒事故が増加しています。その主な原因の一つが、床材と高齢者の足元の相性です。日本には靴を脱いで生活する文化があり、床材にはフローリングが多く使われています。しかし、フローリングは滑りやすく、足腰が弱くなった高齢者にとっては転倒事故につながりやすいのです。
無垢床とスリッパの相性に注意
無垢床は自然な風合いと温かみが魅力ですが、表面が滑らかであるため、スリッパとの組み合わせで滑りやすくなります。高齢者は筋力やバランス感覚が低下していることが多く、この「無垢床×スリッパ」の滑りやすさが大きなリスクとなります。

関連記事
高齢者のフローリング滑り止め|転倒を防ぐ5つの方法
履物・歩行補助具・運動など、暮らし方の面からできる転倒防止対策はこちらで詳しく解説しています。
高齢者に適した無垢床の3つの条件【早見表】
高齢者に優しい無垢床を選ぶ条件は「防滑性」「衝撃吸収性」「視認性」の3つ。滑りにくく、万一転んでも衝撃が小さく、段差が見分けやすい床が理想です。
高齢者の転倒事故を防ぐためには、無垢床の選び方が重要です。新築やリフォームで床材を選ぶ際は、次の3つの条件を確認しましょう。
①防滑性|滑りにくい表面か
滑りにくい表面加工が施された無垢床を選ぶことが大切です。防滑性は「滑り抵抗係数」で表され、数値が高いほど滑りにくいことを示します。廊下や水まわりでは、水濡れ時の滑りやすさも併せて確認しましょう。
②衝撃吸収性|転んだときの衝撃を和らげるか
万が一転倒した場合でも、衝撃を和らげる床材が望ましいです。無垢床の下にクッション性のある下地材を使用することで、衝撃吸収性を高めることができます。骨折などの大きなケガを防ぐ備えになります。
③視認性|床と段差の境目が分かりやすいか
高齢者は視力が低下していることが多いため、床と段差の境目が分かりやすい色合いやデザインを選ぶと安全です。明るめの色や暖色系の無垢材を選ぶと、室内も明るく見え、つまずきの予防につながります。
| 条件 | 確認するポイント | 対策の例 |
|---|---|---|
| ① 防滑性 | 滑り抵抗係数が高いか。水濡れ時も滑りにくいか | 滑り止め加工の床材/滑り止めオイルの塗装 |
| ② 衝撃吸収性 | 転倒時の衝撃を和らげられるか | クッション性のある下地材・緩衝材付きフローリング |
| ③ 視認性 | 床と段差の境目が見分けやすいか | 明るめ・暖色系の無垢材を選ぶ |

関連記事
介護施設の床材おすすめ8種類を比較|失敗しない選び方と滑り止め対策
介護施設・福祉施設向けの床材選びは、8種類の床材を比較したこちらの記事をご覧ください。
今の無垢床の安全性を高める3つの工夫
床の張り替えだけでなく、今の住まいでもできる工夫が3つ。クッション性フローリング・滑り止め加工フローリングは張り替え時に、滑り止めオイルは既存の床にそのまま塗装できます。
「これから床を選ぶ」場合だけでなく、「今の無垢床をより安全にしたい」場合にも、次の3つの工夫が有効です。
①クッション性のフローリングを使用する
裏にクッション性のある緩衝材が付いているフローリングを選ぶことで、万が一の転倒時の衝撃を軽減できます。特にリビングや寝室など、生活の中心となる場所での使用がおすすめです。
②滑り止め加工されたフローリングを使用する
無垢床の表面に滑り止め加工されたフローリングを使用することで、防滑性を高めることができます。滑りにくさの感じ方には個人差があるため、ショールームなどで実際に体感されてみる事をおすすめします。
③無垢床専用の滑り止めオイルを塗装する
無垢フローリング専用の滑り止めオイルは、植物オイルと植物ワックスを主成分とする自然塗料です。無垢材のフローリングに塗布することで、滑りにくい環境を実現しつつ、木材本来の温かみや質感を保てます。床を張り替えずに、今の床のまま滑り対策ができるのが大きな特長で、オイル塗装済みフローリングの上からでも使用できます。
| 工夫 | タイプ | 特徴・気をつけたい点 |
|---|---|---|
| ①クッション性フローリング | 張り替え・新築向け | 転倒時の衝撃を軽減。床材の張り替えや新築・リフォームのタイミングで導入 |
| ②滑り止め加工フローリング | 張り替え・新築向け | 防滑性の高い床に一新できる。費用は高め。ショールームで体感して選ぶのが安心 |
| ③滑り止めオイルを塗る | 今の床に塗るだけ | 張り替え不要で木の質感を保ったまま滑りにくく。床の仕上げ(オイル/ウレタン)の確認が必要 |
床の張り替えには費用も工期もかかります。「今の無垢床の風合いは気に入っているので、滑りだけ何とかしたい」という場合は、③の滑り止めオイルから検討するのがおすすめです。
▶ 関連記事:張り替えではなく既存の床を活かすリフォームは高齢者が歩きやすい滑らない無垢床リフォームとは?で解説しています。
塗る前に確認|床の仕上げ(オイル/ウレタン)の見分け方
滑り止めオイルで対策する前に大切なのは、今の床が「オイル仕上げ」か「ウレタン仕上げ」かを把握すること。同じ「滑る」でも、仕上げによって最適な施工方法が変わります。
床そのものの対策として滑り止めオイルを使う場合、まず今の床が「オイル仕上げ」なのか「ウレタン仕上げ」なのかを確認することが大切です。
- オイル仕上げ(木に浸透するタイプ) ➡︎ 滑り止めオイルをそのまま塗装できます。
- ウレタン仕上げ(表面に膜があるタイプ) ➡︎ 専用下塗り材を塗ったうえで、滑り止めオイルを塗装します。
ご自宅でできる「床の仕上げ」かんたんチェック
「うちの床がどちらか分からない」という方も大丈夫。床を傷めない範囲で、ツヤ・手触り・水の弾き方の3点を見れば、おおまかに見分けられます。
| チェック | ウレタン仕上げ寄り | オイル仕上げ寄り |
|---|---|---|
| ① ツヤの出方 | 光が当たると強くツヤが出る/表面が膜っぽい | 木目の凹凸や手触りが自然で、ツヤが控えめ |
| ② 手触り・質感 | 硬い樹脂膜の感触。ツルッと均一 | 木そのものの質感。しっとりした手触り |
| ③ 水を1滴落とす | 玉のように弾く | じんわり染み込みやすい |
ツヤがある場合や水を弾く場合は「ウレタン仕上げ」の可能性が高いです。確認の際は必ず目立たない場所で少量の水を使い、すぐに拭き取ってください。
無垢床専用の滑り止めオイル「グリップオイル」とは?
「グリップオイル」は、無垢床の質感を活かしたまま適度な摩擦を生み出し、高齢のご家族も安心して歩ける床環境を整えるフローリング専用の自然オイル塗料です。
創業1919年の伊勢通が開発した滑り止めオイルです。植物オイルと植物ワックスが主成分で、木に浸透して効果を発揮するため表面に膜を作らず、無垢床特有の手触りや質感を損ないません。スリッパや靴下で歩く際のグリップ感が高まり、高齢者やペットがいるご家庭に特におすすめです。オイル塗装済みの無垢床にも上から塗り重ねて使えます。

グリップオイルの3つの特長
表面性測定機の実測で摩擦係数は最大約2.7倍。植物油主成分で調湿性能と手触りを保ち、約4時間の乾燥で歩行できる、無垢床にやさしい滑り止めオイルです。

① 摩擦係数 最大約2.7倍
表面性測定機で実測。塗装前と比べ摩擦係数が大きく向上します。

② 自然素材で安心
植物油が主成分。木に浸透し調湿性能と手触りを保ちます。

③ 約4時間で歩行可
コテ刷毛で塗装、拭き取り不要。無垢床なら他社塗料の上からも塗装可。
【実測データ】グリップオイルの摩擦係数 測定結果
専用の表面性測定機で摩擦係数(数値が大きいほど滑りにくい)を実測。ナラ材のオイル仕上げ(0.311)に速乾タイプを塗ると0.827と、約2.7倍まで滑りにくくなりました。
「滑りにくくなる」と言葉で説明するだけでなく、同じ測定機・同じ条件で塗装を変えて摩擦係数を実測しています(2026年6月1日/当社測定)。下表は、ナラ材で仕上げ別に、グリップオイル施工の前後で摩擦係数がどう変化したかの最新データです。
| 仕上げ・施工 | 施工前 | グリップオイル施工後 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| オイル仕上げ+速乾タイプ | 0.311 | 0.827 | 約2.7倍 |
| オイル仕上げ+白木用 | 0.311 | 0.451 | 約1.5倍 |
| ウレタン仕上げ+下塗り材+速乾 | 0.290 | 0.563 | 約1.9倍 |
※摩擦係数=数値が大きいほど滑りにくい。測定:トライボギア 表面性測定機 TYPE:14(荷重200g・ポリエステル靴下・各条件3回平均/2026年6月1日 当社測定)。ナラ材での値。
▶ 8条件の全測定データ・測定方法はこちら
塗装事例とご相談・サンプルの流れ
実際にグリップオイルで「滑りやすい廊下が安心して歩ける床になった」塗装事例と、お使いの床でお試しいただくサンプルの流れをご紹介します。
こちらの住宅では、廊下の無垢床がスリッパで歩く際とても滑りやすくお困りでしたので、滑り止めオイルを塗装しました。その結果、無垢床表面にグリップ感が付き、安心して過ごせる住環境となり、お客様は大変喜ばれておりました。

滑り止めオイルのサンプルについて
サンプルは「速乾タイプ」「白木用」「ウレタン塗装専用下塗り材」の3種類をご用意。実際に手に取って、目立たない場所で滑り止め効果と質感をお試しいただけます。
「高齢の家族が無垢床で滑って心配」「スリッパで歩くとツルッとする」という方は、まず無垢フローリング専用滑り止めオイル「グリップオイル」のサンプルで一度お試しになってみてはいかがでしょうか。塗布後すぐに滑りにくさを実感いただけます。



資料ダウンロード・商品ラインナップ
商品ラインナップ・専用カタログ・SDSをまとめてご紹介します。
グリップオイルの商品ラインナップ
無垢床専用の「速乾タイプ」、白木の質感を活かす「白木用」、ウレタン塗装床に使う「専用下塗り材」の3種類。床の仕上げや用途に合わせてお選びいただけます。
Grip oil/滑り止めオイル 資料ダウンロード
製品の概要・施工方法・メンテナンス方法をまとめたカタログと、安全にお使いいただくための製品安全データシート(SDS)をご用意しています。
高齢のご家族も安心して歩ける床づくりを、伊勢通がお手伝いします
創業1919年。お使いの床に合った滑り止め対策や出張塗装をご提案します。
よくあるご質問(FAQ)
高齢者に優しい無垢床の選び方やグリップオイルについて、よくいただく質問をまとめました。条件・対策・施工・ご相談先を簡潔にお答えします。




