【実測データ】グリップオイルで床の滑りはどう変わる?摩擦係数を8条件で比較検証
一般的なウレタン仕上げの床は摩擦係数0.290、オイル仕上げでも0.311と、室内では滑りやすい部類でした。これに対し、滑り止めオイル「グリップオイル(速乾タイプ)」を塗ったナラ材は摩擦係数0.827。普通の床の約2.7〜2.9倍まで滑りにくくなりました。ツルツルなウレタン塗装の床でも、専用の下塗り材を併用すれば0.290 → 0.563(約2倍)に改善。床そのものを滑りにくくできることを、測定機の数値で確認しています。
滑り止め対策で選ばれる3つの理由
① 摩擦力が約2倍本記事の実測でも裏付け。場所を問わず滑りにくい床にできます。
② 自然素材で安心植物油が主成分。高齢者・子供・ペットのいる空間でも安心です。
③ 広い面積は出張塗装DIYはもちろん、施設や店舗の広い床は出張塗装でも対応します。1. なぜ「実測」したのか|測定の目的
「グリップオイルは本当に滑りにくくなるの?」——お客様から最も多くいただく質問です。私たちは感覚的な説明ではなく、同じ測定機・同じ条件で塗装を変えて比較した数値でお答えしたいと考えました。そこで2026年6月1日、ナラ材・パイン材それぞれに各種塗装を施し、摩擦係数(すべりにくさの指標)を測定しました。結果を測定方法とあわせて、隠さず公開します。
2. 測定の方法と条件
再現性を確保するため、測定機・試料・荷重・回数をすべて記録しています。
- 測定日
- 2026年6月1日
- 測定機
- トライボギア 表面性測定機 TYPE:14(新東科学製)
- 摩擦圧子
- 0.8㎠/接触面にポリエステル製の靴下を使用(室内での靴下歩行を想定)
- 荷重
- 200g を負荷し、試料を固定したステージを5mm移動
- 測定回数
- 各条件3回測定し、平均値を採用
- 試料
- ナラ材・パイン材に各種塗装を施した8条件




荷重の考え方。日本人男女の平均体重を約58.35kg、平均足長24.25cm・足幅10cm(片足の足裏面積を約242.5㎠)と仮定すると、圧子0.8㎠あたりにかかる力は次の通りです。
この単純計算(体重が片足全体に均等にかかると仮定)に最も近い、200gを測定荷重に採用しました。※実際の歩行ではかかと・つま先など一部に荷重が集中するため、実際の荷重分布とは異なる場合があります。


3. 測定結果|8条件の摩擦係数一覧
摩擦係数は数値が大きいほど滑りにくいことを示します。あわせて、圧子にかかった「最大摩擦力(gf)」も記載しました。

測定画面の見方。測定では、圧子が動き出す瞬間にグラフが鋭く立ち上がってピークを迎え、その後はほぼ一定の高さで横ばいになります。立ち上がりのピークが最大静摩擦係数(μs/滑り出す瞬間)、横ばい部分が動摩擦係数(μk)にあたります。下図のとおり滑り出す瞬間が最も滑りやすいため、本記事の表では各条件の摩擦係数(と最大摩擦力)で比較しています。
| 樹種 | 塗装条件 | 平均摩擦係数 | 平均最大摩擦力(gf) |
|---|---|---|---|
| ナラ材 | UVウレタン仕上げ一般的な床 | 0.290 | 57.933 |
| オイル仕上げ一般的な床 | 0.311 | 62.286 | |
| グリップオイル 白木用当社 | 0.451 | 90.291 | |
| UV下塗り材 + 速乾タイプ当社 | 0.563 | 112.579 | |
| グリップオイル 速乾タイプ当社 | 0.827 | 165.436 | |
| パイン材 | 無塗装一般的な床 | 0.440 | 87.982 |
| グリップオイル 白木用当社 | 0.491 | 98.165 | |
| グリップオイル 速乾タイプ当社 | 0.503 | 100.616 |
図1:同じ木材で「塗装なし」と「グリップオイル塗装」を並べて比較しました。グレー=塗装なし、オレンジ=グリップオイル。バーが長いほど滑りにくく、右の数字は塗装で摩擦係数が何倍になったかを示します。
(オイル仕上げ)
塗装
(オイル仕上げ)
塗装
(UVウレタン)
+速乾タイプ
塗装
塗装
バーの長さは摩擦係数に比例(最大0.9を基準に表示)。数値が大きいほど滑りにくい。
4. 考察①|普通の床は意外と滑りやすい
最も滑りやすかったのは、住宅で広く使われるUVウレタン仕上げ(0.290)でした。自然な質感のオイル仕上げ(0.311)も近い値です。光沢のあるツルツルした床ほど摩擦係数が低く、靴下で歩くと滑りやすい——という体感が、数値でも確認できました。パイン材の無塗装(0.440)は木目が粗く、もともと比較的滑りにくい傾向が出ています。
5. 考察②|グリップオイルで摩擦係数が約2.7〜2.9倍に
同じナラ材で比べると、グリップオイル(速乾タイプ)は0.827。オイル仕上げ(0.311)の約2.7倍、UVウレタン仕上げ(0.290)の約2.9倍の摩擦係数です。最大摩擦力で見ても165.4gf対57.9gfと、約2.9倍の差がつきました。白木用タイプでも0.451(オイル仕上げの約1.5倍)に向上しており、仕上がりの艶の好みに合わせて選んでも、しっかり滑りにくくなることがわかります。
一方、もともと滑りにくいパイン材では0.440→0.503(速乾)と上げ幅は穏やかでした。ツルツルした床ほど、グリップオイルによる改善効果が大きく表れる傾向です。
6. 考察③|ウレタン塗装の床でも下塗りで約2倍に
「うちはツルツルなウレタン塗装だから無理では?」という床こそ、効果を実感しやすい対象です。UVウレタン仕上げ(0.290)に専用の下塗り材+速乾タイプを施したところ、摩擦係数は0.563へ。約1.9倍(ほぼ2倍)に改善しました。塗料がのりにくいウレタン塗装の床でも、下塗り材で密着性を確保すれば、床を張り替えずに滑り対策ができます。
7. 摩擦係数と床の安全|公的な目安との関係
床のすべりやすさには、公的な目安があります。バリアフリー法ではJIS A 1454に基づく「すべり抵抗係数(C.S.R)」が評価指標とされ、国土交通省や日本建築学会は、通路・出入口・階段・洗面所などでC.S.R 0.4以上が望ましいとしています(体育館の運動時は0.5〜0.9以下)。
8. グリップオイルの商品ラインナップ
用途と仕上がりに合わせて3タイプをご用意しています。
速乾タイプ3分艶仕上げ/実測0.827
白木用全艶消しマット/実測0.451
下塗り材ウレタン塗装の床にまずはサンプル(税込660円〜)でお試しください
数値だけでなく、実際の質感と滑りにくさをお手元でお確かめいただけます。床の種類がわからない場合や、施設の出張塗装のご相談も承ります。



よくある質問(FAQ)
摩擦係数が「2倍」になると、どのくらい滑りにくいの?
摩擦係数は床と接触面の滑りにくさを示す数値で、大きいほど滑りにくくなります。今回はウレタン仕上げ0.290に対しグリップオイル速乾タイプが0.827と約2.9倍。靴下で歩いたときの「ツルッ」が起きにくくなる目安とお考えください。
どのタイプが一番滑りにくいですか?
実測では速乾タイプ(ナラ材0.827)が最も高い値でした。艶のないマットな仕上がりがお好みなら白木用(0.451)もおすすめです。いずれも未塗装・既存塗装より滑りにくくなります。
ツルツルのウレタン塗装の床にも使えますか?
はい。塗料がのりにくいウレタン塗装の床には専用の下塗り材を併用します。実測では0.290→0.563(約2倍)に改善しました。床の張り替えは不要です。
この測定はどこで行ったのですか?
トライボギア 表面性測定機 TYPE:14を用い、各条件3回測定の平均値を採用しています。荷重・試料・接触面(ポリエステル靴下)まで条件を統一し、再現性を確保しました。
パイン材は効果が小さいように見えますが?
パイン材は木目が粗く無塗装でも比較的滑りにくい(0.440)ため、上げ幅が穏やかに見えます。ツルツルした床ほど改善効果が大きく表れる傾向です。
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