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滑り止めオイルは効果ある?無垢床の摩擦係数を約2倍に【実測】

目次

    滑り止めオイルは効果ある?無垢床の摩擦係数を約2倍に【実測】

    結論

    無垢フローリングが滑るのは、床表面と足(靴下)の間の摩擦が小さいからです。滑り止めオイル「グリップオイル」を塗ると、静摩擦係数(動き出す直前の抵抗)と動摩擦係数(滑っている間の抵抗)がともに高まり、最も転びやすい「動き出す瞬間」が起きにくくなります。

    第三者機関である名古屋市工業研究所での実測では、最大静摩擦係数(摩擦力を荷重で割った値。数値が大きいほど滑りにくい)が、無垢ナラ(オイル塗装)で0.272→0.564(約2.07倍)、無垢ヒノキ(無塗装)で0.331→0.459(約1.39倍)に上昇。塗ったほうが明確に滑りにくくなることを確認しました。

    本記事は「そもそも効くのか・なぜ効くのか」を原理から解説する基礎編です。創業1919年の伊勢通が、データにもとづいて滑り止めの仕組みをご説明します。

    著者 田邊 瑛二(株式会社伊勢通 研究開発担当)

    Article written by
    田邊 瑛二
    無垢床の削りと滑り止めの専門家/株式会社伊勢通(創業1919年)

    なぜ無垢フローリングは滑るのか

    床で滑るかどうかは、床表面と足(靴下)の間に働く「摩擦」の大きさで決まります。摩擦が小さいほどツルッと滑り、大きいほど踏ん張りが効きます。塗装でこの摩擦を高められれば、床そのものを滑りにくくできます。

    無垢フローリングは見た目も手触りも魅力的ですが、「滑りやすい」というお声をいただくことがあります。特にペットやお子さま、ご高齢の方がいるご家庭では、安全性が気になるところです。

    床で滑るかどうかは、床表面と足(靴下)の間に働く「摩擦」の大きさで決まります。摩擦が小さいほどツルッと滑り、大きいほど踏ん張りが効きます。塗装でこの摩擦を高められれば、床そのものを滑りにくくできる——これがグリップオイルの考え方です。本当にそうなるのかを、数値で確かめました。

    「静摩擦係数」と「動摩擦係数」とは|最も滑るのは動き出す瞬間

    滑りやすさは「摩擦係数」で評価します。摩擦係数とは摩擦力を荷重で割った、単位のない指標で、数値が大きいほど滑りにくいことを表します。今回は動き出す直前の「静摩擦係数」と、滑り続けるときの「動摩擦係数」の2つを測定しました。

    滑りやすさを公平に比べるため、今回は摩擦係数を指標に使いました。摩擦係数とは、測定された摩擦力を荷重(今回は500gf)で割った値で、単位のない数字です。荷重の違いに左右されず、数値が大きいほど滑りにくいことを表すため、床材どうしの滑りにくさを比較できます。この摩擦係数を、滑りの2つの場面で測定しました。

    • 静摩擦係数(μs) 物体が動き出す直前の、最大の抵抗を表す摩擦係数。
    • 動摩擦係数(μk) 滑り始めて動かし続けるときの摩擦係数。

    一般に 静摩擦係数(μs)>動摩擦係数(μk) となり、「静止していたものが動き出す(滑り出す)瞬間が、最も滑りやすいタイミング」と言えます。転倒は、まさにこの一歩目の踏み出しで起きがちです。だからこそ、動き出す瞬間の最大静摩擦係数を高めることが、転倒予防に直結します。

    μs μk 最大静摩擦係数(μs) 動摩擦係数(μk) 滑り出す瞬間=最も滑りやすい 静止 滑っている 摩擦の大きさ(摩擦係数) 加える力 →

    加える力を強めていくと、摩擦係数が最大(最大静摩擦係数μs)に達した瞬間に物体は滑り出します。この「滑り出す瞬間」が最も転びやすく、その後は一段低い動摩擦係数μkで滑り続けます。

    測定の方法(名古屋市工業研究所)

    第三者機関である名古屋市工業研究所で、グリップオイルを塗った床と塗っていない床の摩擦力を比較しました。靴下での歩行を想定し、ポリエステル製の靴下生地を相手材に測定しています。

    客観性を担保するため、社内ではなく公的な試験機関で測定しました。試験条件は以下のとおりです。

    項目 内容
    測定場所 名古屋市工業研究所
    試料 無垢ナラ・無垢ヒノキ(塗装状態別)
    試験機 新東科学(株)製 トライボギア TYPE 14
    相手材 ポリエステル製の靴下生地(靴下での歩行を想定)
    荷重/速度/距離 500gf/10mm/min/5mm(サンプリング1,000回/s)
    試験室環境 室温24.2℃・湿度46%
    採用値 静摩擦係数=開始15秒後(2.5mm)までの最大値/動摩擦係数=15〜30秒(2.5〜5mm)の平均値(いずれも摩擦力を荷重500gfで割った値・各条件3回平均)

    名古屋市工業研究所での摩擦力測定の様子。測定機に木材試料を載せ、PCで摩擦力の変化を記録

    名古屋市工業研究所での測定の様子。試料の摩擦力をPCで記録します。

    測定対象の無垢ナラと無垢ヒノキのサンプル板

    測定対象は無垢ナラ・無垢ヒノキ。塗装状態を変えて比較しました。

    測定結果|塗る/塗らないでどう変わったか

    最も滑りやすい「動き出す瞬間」の最大静摩擦係数を比較。数値が大きいほど滑りにくいことを示します。どちらの樹種でも、グリップオイルを塗ると摩擦係数が明確に大きくなりました。

    靴下(ポリエステル製)をフローリングの上で滑らせ、最も滑りやすい「動き出す瞬間」の最大静摩擦係数を比べた結果が下のグラフです。数値が大きいほど滑りにくいことを示します。

    Grip oil 無し Grip oil あり 最大静摩擦係数 0 0.2 0.4 0.6 0.272 0.564 無垢ナラ(オイル塗装) 約2.07倍 0.331 0.459 無垢ヒノキ(無塗装) 約1.39倍 数値(摩擦係数)が大きいほど滑りにくい/測定:名古屋市工業研究所

    樹種・仕上げ Grip oil 無し Grip oil あり 倍率
    無垢ナラ(オイル塗装) 0.272 0.564 約2.07倍
    無垢ヒノキ(無塗装) 0.331 0.459 約1.39倍

    ※数値は最大静摩擦係数(摩擦力÷荷重500gf・各条件3回平均)。単位はなく、数値が大きいほど滑りにくい。/測定:名古屋市工業研究所(ポリエステル靴下生地)

    どちらの樹種でも、グリップオイルを塗ることで「動き出す瞬間」の抵抗が大きく増えました。とくにツルッとしやすいナラのオイル塗装品では、最大静摩擦係数がおよそ2倍に。床そのものを滑りにくくできることが、数値で裏づけられました。

    【補足】この記事は「塗る/塗らない」の基本効果を、静摩擦係数・動摩擦係数で確かめた1回目の検証です。速乾タイプ・白木用・ウレタン塗装の床への施工など、製品タイプ別・床タイプ別の詳しい倍率(摩擦係数)は、測定条件を変えて検証した2回目の測定記事にまとめています。測定指標・荷重などが異なるため、倍率の数値も記事ごとに異なります。

    【2回目記事より】製品タイプ別の摩擦係数(ナラ材)

    床の仕上げで塗り方が変わるため、「オイル仕上げの無垢床に塗る場合」と「ウレタン塗装の床に施工する場合」に分けて比較しています。

    ■ オイル仕上げの無垢床に塗った場合

    速乾タイプ 白木用 塗装前(オイル仕上げ) 0.827 0.451 0.311 数値が大きいほど滑りにくい/2026.6.1測定(ナラ材・摩擦係数)

    オイル仕上げの無垢床に速乾タイプを塗ると、0.311→0.827(約2.7倍)に。

    ■ ウレタン塗装の床に施工した場合(下塗り材+速乾)

    下塗り材+速乾 施工前(ウレタン) 0.563 0.290 数値が大きいほど滑りにくい/2026.6.1測定(ナラ材・摩擦係数)

    ウレタン塗装の床も、下塗り材+速乾で0.290→0.563(約1.9倍)に。


    あわせて読みたい・最新データ
    【2回目・最新データ】製品タイプ別・床タイプ別の摩擦係数を比較
    「どのタイプを・どんな床に塗るとどれだけ効くか」を摩擦係数で比較した、製品別の最新データはこちら。

    滑り止めオイル「グリップオイル」とは?

    「グリップオイル」は、無垢床の質感を活かしたまま適度な摩擦を生み出し、滑りにくい床環境を整えるフローリング専用の自然オイル塗料です。今回の測定で効果を実証したのが、このグリップオイルです。

    創業1919年の伊勢通が開発した滑り止めオイルです。天然由来の植物オイルが主成分で、木に浸透して効果を発揮するため表面に膜を作らず、無垢床特有の手触りや質感を損ないません。既存のオイル塗装が施された無垢床にも、上から塗り重ねて使用できます。

    フローリング専用 滑り止めオイル グリップオイル

    グリップオイルの3つの特長

    名古屋市工業研究所の測定で、オイル塗装の無垢床の最大静摩擦係数が約2.07倍に。植物油主成分で調湿性能と手触りを保ち、約4時間の乾燥で歩行できる、無垢床にやさしい滑り止めオイルです。

    名古屋市工業研究所の測定で摩擦力が約2倍になった滑り止め効果
    ① 摩擦力 約2倍
    第三者機関・名古屋市工業研究所で測定。オイル塗装の無垢床で約2.07倍に。
    木の特性を損なわない自然素材の塗料
    ② 自然素材で安心
    植物油が主成分。木に浸透し調湿性能と手触りを保ちます。
    4時間の乾燥後に歩行可能な施工性
    ③ 約4時間で歩行可
    コテ刷毛で塗装、拭き取り不要。無垢床なら他社塗料の上からも塗装可。

    導入されたご家庭・施設の声

    数値だけでなく、実際に使われた現場からも効果を実感する声が届いています。ペットの滑り止め・お子さまの転倒防止・ご高齢の方の歩行サポートなど、日常の安全性を高めたい方に選ばれています。

    フローリングの上で安心して犬が走れるようになった
    子どもが走っても転倒の心配が減った
    介護中の親が滑りにくくなり、歩行補助の負担が軽減された

    ペットの滑り止め対策、お子さまの転倒防止、ご高齢の方の歩行サポートなど、日常の安全性を高めたい方にとって、信頼できる選択肢です。用途別の対策は、愛犬の滑り対策や高齢者の転倒防止の記事でも詳しく解説しています。

    お使いの床に塗れるか・サンプルのご相談の流れ

    無塗装やオイル塗装で滑りにくさにお困りなら、まずはサンプルをご自宅の床でお試しください。使用面積に応じた購入・出張塗装のお見積もりも承ります。

    「うちの床にも効くの?」とお考えの方は、無理に判断せず次の流れがおすすめです。

    • 1)床の状態をメールで相談する(写真を送ると仕上げの判断がスムーズです)
    • 2)サンプルで目立たない場所に試す(実際の滑りにくさと質感を確認)
    • 3)必要に応じて本施工・出張塗装を検討する

    滑り止めオイルのサンプルについて

    サンプルは「速乾タイプ」「白木用」「ウレタン塗装専用下塗り材」の3種類をご用意。目立たない場所で滑り止め効果と質感をお試しいただけます。

    グリップオイル 速乾タイプ サンプルグリップオイル 白木用 サンプルグリップオイル ウレタン塗装専用下塗り材 サンプル

    まずはサンプル(税込660円〜)で、ご自宅の床でお試しを

    床の仕上げの判断から最適な施工方法まで、創業1919年の伊勢通が無料でご案内します。

    資料ダウンロード・商品ラインナップ

    商品ラインナップ・専用カタログ・SDSをまとめてご紹介します。

    グリップオイルの商品ラインナップ

    無垢床専用の「速乾タイプ」、白木の質感を活かす「白木用」、ウレタン塗装床に使う「専用下塗り材」の3種類。床の仕上げや用途に合わせてお選びいただけます。

    グリップオイル 速乾タイプ
    速乾タイプ(3分艶仕上げ)
    無垢床専用・速乾タイプ。
    100ml 6,600円/0.25L 10,890円/0.5L 16,335円/1L 21,780円

    詳細を見る →
    グリップオイル 白木用
    白木用(全艶消しマット仕上げ)
    無垢床専用・白木の質感を活かす。
    100ml 6,050円/0.5L 14,440円/1L 19,250円

    詳細を見る →
    グリップオイル ウレタン塗装専用下塗り材
    ウレタン塗装専用 下塗り材
    ウレタン塗装床にグリップオイルを塗る前の下塗り材。
    1L 19,800円

    詳細を見る →

    Grip oil/滑り止めオイル 資料ダウンロード

    製品の概要・施工方法・メンテナンス方法をまとめたカタログと、安全にお使いいただくための製品安全データシート(SDS)をご用意しています。

    Grip oil/滑り止めオイル 専用カタログ

    Grip oil/滑り止めオイル専用カタログの表紙

    製品安全データシート(SDS)

    Grip oil/滑り止めオイル 製品安全データシートの表紙

    無垢フローリングの滑り対策を、伊勢通がお手伝いします

    創業1919年。お使いの床に合った滑り止め対策をご提案します。

    よくあるご質問(FAQ)

    滑り止めオイルの効果や静摩擦・動摩擦について、よくいただく質問をまとめました。効果の根拠・測定方法・製品選びを簡潔にお答えします。

    滑り止めオイルを塗ると本当に滑りにくくなりますか?
    はい。名古屋市工業研究所での実測で、グリップオイルを塗った試料は静摩擦・動摩擦がともに上昇し、塗っていない床より明確に滑りにくくなることを確認しています。無垢ナラ(オイル塗装)では最大静摩擦係数が0.272→0.564(約2.07倍)に向上しました(摩擦係数=摩擦力÷荷重・数値が大きいほど滑りにくい)。
    「静摩擦」と「動摩擦」はどちらが大事ですか?
    転倒は「動き出す瞬間」に起きやすいため、その瞬間に関わる最大静摩擦係数が重要です。一般に静摩擦係数(μs)は動摩擦係数(μk)より大きく、静止していたものが動き出す瞬間が最も滑りやすいタイミングになります。グリップオイルはこの値を高め、一歩目で滑りにくくします。
    測定はどこで、どのように行ったのですか?
    第三者機関である名古屋市工業研究所で測定しました。無垢ナラ・無垢ヒノキを試料に、相手材としてポリエステル製の靴下生地(靴下での歩行を想定)を使用。新東科学(株)製トライボギア TYPE 14で、荷重500gf・速度10mm/min・距離5mmの条件で測定し、摩擦力を荷重で割った摩擦係数で、塗る/塗らないを比較しています。
    どの製品を選べばいいですか?
    床の種類や仕上がりの好みで最適なタイプが変わります。無垢床には「速乾タイプ」「白木用」、ウレタン塗装の床には「専用下塗り材+グリップオイル」をお使いいただけます。白木用・速乾タイプ・ウレタン床用などを摩擦係数で比較した2回目の測定記事もご参照ください。
    サンプルや見積もりの相談はできますか?
    可能です。サンプルは「速乾タイプ」「白木用」「ウレタン塗装専用下塗り材」の3種類をご用意し、目立たない場所でお試しいただけます。使用面積に応じた購入や、出張塗装・お見積もりも承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

    ※本記事の測定は名古屋市工業研究所にて、ポリエステル靴下生地を相手材とし、摩擦力を荷重500gfで割った摩擦係数(静摩擦係数・動摩擦係数)で実施したものです。試料の個体差・測定環境により値は変動する場合があります。製品タイプ別・床タイプ別の比較は2回目の測定記事をご参照ください。

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