無垢床コーティングの種類を比較|ガラス・シリコン・UV・オイルの選び方
無垢床コーティングとは|「膜で覆う」か「浸透させる」か
無垢床のコーティングは、大きく2つの考え方に分かれます。
ひとつは、表面に硬い膜(塗膜)をつくって木を覆う「造膜(ぞうまく)系」。ガラス・シリコン・UVコーティングがこれにあたります。傷や汚れに強く、メンテナンスの手間が減るのが利点です。
もうひとつは、木に塗料を染み込ませて内側から保護する「浸透系」。オイル仕上げが代表です。膜をつくらないため、無垢本来の足触りや調湿性(湿気を吸ったり放したりする働き)を残せます。
無垢材は生きた木なので、季節によってわずかに伸縮し、湿気を吸放出します。この「呼吸」との相性が、コーティング選びで見落とされがちな最大のポイントです。まずは4種類を横並びで比べてみましょう。
無垢床コーティング4種の比較表
主なコーティング4種を、費用・耐久年数・質感・滑りにくさ・メンテナンス性で比較しました。費用は施工業者・面積・下地の状態で変わるため、あくまで目安です。
| 種類 | タイプ | 費用の目安 | 耐久年数 | 質感 | 滑りにくさ | メンテ性 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ガラス | 造膜 | 高め | 20年〜半永久 | 艶控えめ・自然に近い | 普通 | ほぼ不要(補修は困難) |
| UV | 造膜 | 中〜高 | 20〜30年 | 光沢が強い | やや滑りやすい | 専門業者による補修 |
| シリコン | 造膜 | 中 | 10〜20年 | 半光沢 | 高い(滑り止め向き) | 中 |
| オイル | 浸透 | 低〜中(DIYも可) | 数年ごと再塗装 | 無垢そのもの・調湿を維持 | 調整できる | 自分で部分補修可 |
それぞれの特徴を、もう少し詳しく見ていきます。
① ガラスコーティング
無機質のガラス成分で硬い膜をつくるコーティングです。硬度が非常に高く、傷や摩耗に強いのが最大の特徴。耐久年数も長く、半永久的とうたわれることもあります。光沢は控えめで、フローリング本来の見た目を大きく変えにくいため、「膜はほしいが、テカテカにはしたくない」方に選ばれます。一方で費用は高めで、いったん施工すると部分的な補修や原状回復は難しくなります。
② UVコーティング
紫外線(UV)を照射して樹脂を瞬時に硬化させるコーティングです。硬度・耐久性ともに高く、耐久年数は20〜30年程度。しっかりした光沢が出るので、見た目の美しさ・高級感を重視する方に人気があります。専用の照射設備が必要なため、施工できる業者は限られます。
なお、伊勢通ではUVコーティングの施工にも対応しています(施工エリア:愛知県/ご希望に応じて対応可)。「無垢材にUVコーティングをかけたいが、無垢の扱いに慣れた業者に頼みたい」という場合は、後述の相談窓口までお問い合わせください。
③ シリコンコーティング
シリコン樹脂の被膜をつくるコーティングで、滑り止め効果が高いのが特徴です。ペットや小さなお子さま、高齢のご家族がいるご家庭で、転倒対策として選ばれることがあります。耐久年数は10〜20年程度で、ガラス・UVより費用を抑えやすい一方、質感はやや人工的になります。
④ オイル仕上げ(浸透系)
膜をつくらず、木に塗料を染み込ませて保護する仕上げです。無垢本来の足触り・木目・調湿性をそのまま残せるのが最大の魅力。数年ごとの再塗装は必要ですが、汚れや小傷は部分的に自分で塗り直せるため、長く付き合いやすい仕上げです。滑りにくさを重視するなら、滑り止め効果を持たせた専用オイルもあります。
無垢材にコーティングする際の3つの注意点
無垢材は合板(挽板・突板)と違い、木そのものが呼吸する素材です。コーティングを検討するときは、次の3点に注意してください。
1. 木の調湿・伸縮を妨げることがある
硬い塗膜で全体を覆うと、木の湿気の出入りが制限され、季節による伸縮や割れに影響することがあります。無垢材の扱いに慣れた業者を選ぶことが大切です。
2. すでにオイル仕上げの床は下地処理が必要
自然塗料(オイル)が浸透している床にガラス・UVなどの造膜コーティングをのせる場合、まず浸透した塗料を除去する工程が必要です。この対応可否は業者によって分かれます。
3. 一度造膜すると、あとから戻しにくい
造膜系コーティングは耐久性が高い反面、いったん施工すると原状回復や仕上げの変更が難しくなります。「将来オイルの質感に戻したい」といった希望があるなら、施工前に確認しておきましょう。塗装で無垢の質感をできるだけ変えたくない方は、こちらもあわせてご覧ください。
▶ 関連記事:無垢フローリングの質感を変えない塗装とは
無垢床コーティングの選び方3ステップ
種類の違いを踏まえ、失敗しない選び方を3つのステップで整理します。
① 目的を決める(質感か、耐久・光沢か)
無垢本来の足触り・調湿性を大切にするなら浸透系(オイル)、傷・摩耗への強さや光沢を最優先するなら造膜系(ガラス・UV・シリコン)が基本の分かれ道です。
② 今の床の仕上げを確認する
すでにオイルが浸透している床に造膜コーティングをのせる場合は、塗料を除去する下地処理が必要です。現状の仕上げ(オイルか、造膜か)を確認しておきましょう。
③ 無垢材に慣れた業者へ相談・見積もりする
無垢材は呼吸する素材のため、施工実績のある業者に相談するのが安心です。将来オイルの質感に戻せるかなど、仕上げ変更の可否も確認しておくとよいでしょう。
無垢の質感を活かすならオイル仕上げ
「傷や光沢よりも、無垢の足触りと木の表情を大切にしたい」——そう考える方には、オイル仕上げ(浸透系)が向いています。膜で覆わないので、素足で歩いたときのサラッとした質感や、木が湿気を調整する働きをそのまま活かせます。
さらに、汚れや小傷は部分的に塗り直せるため、造膜系のように「傷んだら全面やり直し」になりにくいのも実用面の利点です。ウレタン(造膜)とオイル(浸透)の違いをもっと詳しく知りたい方は、こちらで比較しています。
▶ 関連記事:ウレタン塗装とオイル塗装の違いを徹底比較
無垢床の「滑りやすさ」が気になる場合も、オイルで対応できます。伊勢通のグリップオイルは、無垢の質感を残したまま滑りを抑える滑り止めオイル。ドイツ・クランプ社の自然塗料クランプオイルとあわせ、仕上げの質感と機能から選べます。
滑り止めオイル「グリップオイル」とは?
「グリップオイル」は、無垢床の質感を活かしたまま適度な摩擦を生み出し、滑りにくい床環境を整えるフローリング専用の自然オイル塗料です。
天然由来の植物オイルが主成分

グリップオイルの3つの特長
名古屋市工業研究所の測定で、オイル塗装の無垢床の最大静摩擦係数が約2.07倍に。植物油主成分で調湿性能と手触りを保ち、約4時間の乾燥で歩行できる、無垢床にやさしい滑り止めオイルです。
① 摩擦力 約2倍 第三者機関・名古屋市工業研究所で測定。オイル塗装の無垢床で約2.07倍に。
② 自然素材で安心 植物油が主成分。木に浸透し調湿性能と手触りを保ちます。
③ 約4時間で歩行可 コテ刷毛で塗装、拭き取り不要。無垢床なら他社塗料の上からも塗装可。第三者機関による摩擦力データ
滑りにくさは名古屋市工業研究所の実測で確認済み。無垢ナラ(オイル塗装)で摩擦力が約2倍に。
| 樹種・仕上げ | 塗装前 | グリップオイル塗装後 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 無垢ナラ(オイル塗装) | 136gf | 281.9gf | 約2.07倍 |
| 無垢ヒノキ(無塗装) | 165.4gf | 229.7gf | 約1.39倍 |
※gf(グラム重)=摩擦力の単位。数値が大きいほど滑りにくい。/測定:名古屋市工業研究所
まとめ|「質感を残す」か「膜で守る」かで選ぶ
無垢床のコーティングは、大きく分けて膜で覆う造膜系(ガラス・シリコン・UV)と、質感を残す浸透系(オイル)の2方向です。傷・摩耗への強さや光沢を最優先するなら造膜系、無垢本来の足触り・調湿性・補修のしやすさを重視するならオイル仕上げが向きます。
伊勢通では、オイル仕上げ(グリップオイル・クランプオイル)はもちろん、UVコーティングの施工にも対応(愛知県・要相談)しています。「無垢材にどの仕上げが合うか」「今の床から仕上げを変えられるか」など、床の状態を踏まえたご提案が可能です。下記よりお気軽にご相談ください。
床の仕上げが分からないときのご相談の流れ
「オイルかウレタンか分からない」という方も大丈夫。床の写真をお送りいただければ、仕上げの種類と最適な施工方法をご案内します。
- 1)床の状態をメールで相談する(写真を送ると仕上げの判断がスムーズです)
- 2)サンプルで目立たない場所に試す
- 3)必要に応じて本施工を検討する
滑り止めオイルのサンプルについて
サンプルは「速乾タイプ」「白木用」「ウレタン塗装専用下塗り材」の3種類をご用意。目立たない場所で滑り止め効果と質感をお試しいただけます。



資料ダウンロード・商品ラインナップ
商品ラインナップ・専用カタログ・SDSをまとめてご紹介します。
グリップオイルの商品ラインナップ
無垢床専用の「速乾タイプ」、白木の質感を活かす「白木用」、ウレタン塗装床に使う「専用下塗り材」の3種類。床の仕上げや用途に合わせてお選びいただけます。
速乾タイプ(3分艶仕上げ) 無垢床専用・速乾タイプ。 100ml 6,600円/0.25L 10,890円/0.5L 16,335円/1L 21,780円 詳細を見る →
白木用(全艶消しマット仕上げ) 無垢床専用・白木の質感を活かす。 100ml 6,050円/0.5L 14,440円/1L 19,250円 詳細を見る →
ウレタン塗装専用 下塗り材 ウレタン塗装床にグリップオイルを塗る前の下塗り材。 1L 19,800円 詳細を見る →Grip oil/滑り止めオイル 資料ダウンロード
製品の概要・施工方法・メンテナンス方法をまとめたカタログと、安全にお使いいただくための製品安全データシート(SDS)をご用意しています。
よくあるご質問(FAQ)
無垢床のコーティングについて、よくいただく質問をまとめました。

