床暖房で使える無垢フローリングの選び方|樹種と注意点
無垢フローリングは床暖房に使えない?「NG」と言われる理由
無垢フローリングは天然木を一枚板で使うため、「床暖房には向かない」と長く言われてきました。理由はシンプルで、木は熱と乾燥で伸縮する素材だからです。
1. 熱と乾燥で反り・割れが起きやすい
床暖房は床材を長時間、一定の熱と乾燥にさらします。含水率の高い無垢材ほど収縮が大きく、反りや割れの原因になります。
2. 板と板のあいだに隙間が空く
乾燥して木が縮むと、貼り合わせ部分にすき間が出ることがあります。幅の広い板ほど目立ちやすい傾向です。
ただし、これは「対応していない無垢材を使った場合」の話です。近年は加工と乾燥を工夫した床暖房対応品が増え、無垢の質感を保ちながら床暖房を使えるようになっています。
なぜ大丈夫?床暖房対応フローリングの仕組み
床暖房対応品は、木が動く原因である「水分」と「板の構造」をコントロールすることで、反りや隙間を抑えています。主な工夫は次の3つです。
1. 含水率を下げて寸法を安定させる
通常の無垢材が含水率8〜12%程度なのに対し、床暖房対応品は5%以下まで乾燥を管理し、熱による収縮を最小限にしています。
2. 裏面塗装・幅を狭くして反りを抑える
裏面にも塗装を施して水分の出入りを均一にし、板幅を75mmなどに狭くすることで、反りやすき間を目立ちにくくします。
3.「挽板(ひきいた)」という選択肢
表面に2〜3mmの無垢板を使い、下地に寸法が安定した合板を組み合わせた挽板(複合)フローリングは、見た目・足触りは無垢に近く、伸縮に強いのが特長です。床暖房には特に相性がよく、幅広の商品も選べます。
つまり「無垢=床暖房NG」ではなく、対応する構造・加工の商品を選べばよい、というのが現在の答えです。
樹種・シリーズ別 床暖房対応フローリング(比較表)
伊勢通では、床暖房に対応した複合(挽板)フローリングを16商品、さらに無垢(ソリッド)でも床暖対応品をご用意しています。代表的なシリーズを比較表にまとめました。
| シリーズ | タイプ | 表面材 | 塗装 | 設計価格の目安 |
|---|---|---|---|---|
| PLシリーズ | 挽板複合 | 3mm | オイル | 11,780〜22,249円/㎡ |
| PSシリーズ | 挽板複合 | 2mm | オイル | 10,855〜18,421円/㎡ |
| NSシリーズ | 挽板複合 | 2mm | オイル | 9,434〜10,789円/㎡ |
| SSシリーズ | 挽板複合 | 2mm | マットウレタン | 11,513〜12,303円/㎡ |
| 無垢(対応品あり) | 無垢一枚板 | — | オイル/ユニ | ナラ・カバ・栗・チーク・BW |
樹種はオーク(ナラ)、ブラックウォルナット、アメリカンチェリー、メープル、カバ、チーク、アカシアなど。塗装は質感を残すオイル仕上げが中心で、手入れの手軽さを求める方にはマットウレタンのSSシリーズも選べます。
▶ 床暖房対応品の一覧・価格は無垢・複合フローリング(床暖房対応)でご確認いただけます。樹種ごとの色味や特徴から選びたい方は、あわせて無垢フローリングの選び方ガイドもご覧ください。
失敗しない選び方 3つのポイント
床暖房対応フローリングを選ぶときは、次の3点を確認するとミスを防げます。
1. 「床暖房対応」の表記を必ず確認
同じ樹種でも、対応品と非対応品があります。商品ページや仕様表で「床暖房対応」と明記されているかを必ず確認しましょう。
2. 塗装(オイルかウレタンか)で選ぶ
無垢本来の足触り・調湿性を活かすならオイル仕上げ、傷や汚れに強く手入れを簡単にしたいならマットウレタンが向きます。
3. 幅・グレード・予算のバランス
幅が広いほど高級感が出る一方、床暖房下では反りに配慮が必要です。グレード(節や色ムラの程度)と設計価格を見比べ、部屋の用途に合うものを選びましょう。
施工・使い始め・メンテナンスの注意点
対応品を選んでも、施工と使い方を誤ると反りや隙間の原因になります。主な注意点は次のとおりです。
1. 施工時(プロ向け)
接着剤をサネ(凸凹の接合部)に付けない、貼り方向や継ぎ目の位置を守る、施工後は数日養生してから通電を始める——といった基本を守ることが大切です。施工は無垢材に慣れた業者へ依頼しましょう。
2. 使い始めは急に高温にしない
初めて運転するときは低温から徐々に温度を上げると、急激な乾燥による反りを防げます。
3. 日常のお手入れ
ふだんは乾拭きが基本です。オイル仕上げの床は、乾燥が気になる時期に保湿を兼ねてオイルを薄く塗り直すと、質感と表面を長く保てます。
床暖房で「滑りが気になる」ならオイルで後付けも
床暖房対応のオイル仕上げフローリングは素足でも快適な一方、靴下ではやや滑りやすく感じることがあります。ペットや高齢のご家族がいるご家庭では、滑りにくさも選ぶ基準になります。
伊勢通のグリップオイルは、いま使っている無垢・オイル仕上げの床に後から塗るだけで滑りにくさを足せる自然塗料です。床暖房対応品の質感を損なわず併用できます。詳しくはグリップオイル完全ガイドをご覧ください。
滑り止めオイル「グリップオイル」とは?
「グリップオイル」は、無垢床の質感を活かしたまま適度な摩擦を生み出し、滑りにくい床環境を整えるフローリング専用の自然オイル塗料です。
天然由来の植物オイルが主成分

グリップオイルの3つの特長
名古屋市工業研究所の測定で、オイル塗装の無垢床の最大静摩擦係数が約2.07倍に。植物油主成分で調湿性能と手触りを保ち、約4時間の乾燥で歩行できる、無垢床にやさしい滑り止めオイルです。
① 摩擦力 約2倍 第三者機関・名古屋市工業研究所で測定。オイル塗装の無垢床で約2.07倍に。
② 自然素材で安心 植物油が主成分。木に浸透し調湿性能と手触りを保ちます。
③ 約4時間で歩行可 コテ刷毛で塗装、拭き取り不要。無垢床なら他社塗料の上からも塗装可。第三者機関による摩擦力データ
滑りにくさは名古屋市工業研究所の実測で確認済み。無垢ナラ(オイル塗装)で摩擦力が約2倍に。
| 樹種・仕上げ | 塗装前 | グリップオイル塗装後 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 無垢ナラ(オイル塗装) | 136gf | 281.9gf | 約2.07倍 |
| 無垢ヒノキ(無塗装) | 165.4gf | 229.7gf | 約1.39倍 |
※gf(グラム重)=摩擦力の単位。数値が大きいほど滑りにくい。/測定:名古屋市工業研究所
まとめ|「対応品」を選べば無垢×床暖房は両立できる
無垢フローリングは床暖房に使えない、というのは過去の常識です。含水率を下げ、裏面塗装や挽板構造で寸法を安定させた床暖房対応品を選べば、無垢の質感を楽しみながら床暖房を使えます。選ぶときは「床暖房対応の表記」「塗装(オイル/ウレタン)」「幅・グレード・予算」の3点を確認しましょう。
伊勢通では、床暖房対応の複合(挽板)フローリング16商品と、無垢の床暖対応品をご用意しています。「この樹種は床暖房で使えるか」「オイルとウレタンどちらが合うか」など、床の用途に応じたご提案が可能です。カタログ・サンプルのご請求やお見積もりは下記より承ります。
床の仕上げが分からないときのご相談の流れ
「オイルかウレタンか分からない」という方も大丈夫。床の写真をお送りいただければ、仕上げの種類と最適な施工方法をご案内します。
- 1)床の状態をメールで相談する(写真を送ると仕上げの判断がスムーズです)
- 2)サンプルで目立たない場所に試す
- 3)必要に応じて本施工を検討する
滑り止めオイルのサンプルについて
サンプルは「速乾タイプ」「白木用」「ウレタン塗装専用下塗り材」の3種類をご用意。目立たない場所で滑り止め効果と質感をお試しいただけます。



資料ダウンロード・商品ラインナップ
商品ラインナップ・専用カタログ・SDSをまとめてご紹介します。
グリップオイルの商品ラインナップ
無垢床専用の「速乾タイプ」、白木の質感を活かす「白木用」、ウレタン塗装床に使う「専用下塗り材」の3種類。床の仕上げや用途に合わせてお選びいただけます。
速乾タイプ(3分艶仕上げ) 無垢床専用・速乾タイプ。 100ml 6,600円/0.25L 10,890円/0.5L 16,335円/1L 21,780円 詳細を見る →
白木用(全艶消しマット仕上げ) 無垢床専用・白木の質感を活かす。 100ml 6,050円/0.5L 14,440円/1L 19,250円 詳細を見る →
ウレタン塗装専用 下塗り材 ウレタン塗装床にグリップオイルを塗る前の下塗り材。 1L 19,800円 詳細を見る →Grip oil/滑り止めオイル 資料ダウンロード
製品の概要・施工方法・メンテナンス方法をまとめたカタログと、安全にお使いいただくための製品安全データシート(SDS)をご用意しています。
よくあるご質問(FAQ)
床暖房対応の無垢フローリングについて、よくいただく質問をまとめました。

